「才能」と「センス」は何が違うのか!?~峠だけじゃない普遍性
『劇場版 頭文字D Third Stage』。「赤城で涼介がエンペラーであるように、ここでは俺がエンペラーだ」とかいろんな名言がそこかしこに見出せるので結構好きだったりします。
で、すでに持ってるにもかかわらずAnimaxでやってるのを知ってさっきまた見てしまった…。この手の漫画・アニメが面白いのはなぜか? という点についてはまた後日書くとして、今日改めて発見したのは、涼介が拓海をProject. Dへ勧誘するときに言ったこのセリフ。
「お前は、才能とセンスだけでここまで走り続けてきた。」
なんという偶然。ビックリした。実は最近、「才能とセンスの違いとはなんぞや?」について色々考えていたところ。
先日、ある大学のキャンパス内で、向こうから来る学生たちとすれ違った時のこと。
学生A:「才能とセンスって何か違うの? 同じじゃない?」
学生B:「いや、違うと思う。なぜかというと……」
たまたますれ違っただけで、すぐに距離が離れてしまったのでこれだけしか耳に入ってこなかったんだけど、B君の話の続きが気になる! 彼は一体何を言おうとしていたのだろうか。
一見、どちらも同じように感じられるのだけど…!?
「才能」。良い意味での、生まれ持って秀でた能力だろう。これはわかりやすい。
一方、「センス」とは? これはカタカナ言葉であることからわかるように、日本語でとらえるのが難しい概念。まあ、「勘」とか「感覚」といえばそうなんだけど。ふわっとしてつかみどころのない言葉だよね。
違いってなんだろうなあ~。身近で具体的な場面を想像して考えてみよう。
新庄ビッグボス誕生で、これまで野球に特に関心が無かった人々にも俄然認知度が高まってきた野球で考えてみる。よく、「野球センスの塊」などと表現されることが多くある。
あ、Third Stageでも拓海が小柏カイに、「峠センスの塊」って評されていた。ソレですよ、ソレ。
プロ野球の場合、良く打つけど守備が下手な選手がいる。この点をたまに解説者に指摘されて、「今、この場面で守りで立つのはそこの位置じゃない、選手がわからないのであればベンチが教えてやるべき」なんて言われたりしている。そうかと思えば、常に打球が飛んでくる絶妙なところに構えている選手もいる。
つまり、例えばこういったことが「野球センス(守備センス)」があるとか無いとかいうわけで。
才能という点では、足が速い、肩が良い、ジャンプ力があるなどといった身体能力に加えて「努力を続けることができる」なんてのも入る。
そこで、これを突き詰めて考えて見えた自分なりの答えが出ましたよ。↓
「才能は、持って生まれついた良い能力。センスとは、“考えればわかることを、考えなくてもできてしまう”こと」
そう考えると、たぶんどの分野においても納得できるんではないかと思う。
「峠センス」。それぞれの道によって違う高低差や、うねうねしたコーナーをどのように走れば最適なのかを瞬時に(考えなくても)察知できる勘の良さ。
そしてここでの「才能」とは、動体視力の良さとか、手や足が素早く反応するなどといった身体能力に加えて、センスで感じ取ったことを理解する能力も含まれる。
だから拓海の場合は、峠センスがあるだけでなく、理解力や反射神経などの才能も相まっての勝ちとなる。「峠センスの塊」とは、これら才能もひっくるめての評価だと思われる。
この頭文字Dの作品を通じて、拓海以外の人物みんなが「どのようにしたら速く走れるか」「どのようにしたら勝負に勝てるか」を考え、自分なりの仮説を立て、それを検証してバトルに臨んでいる。
それを、そこまで突き詰めて考えてもいないのに、「峠センス」でもってあっさり追いつき追い越してしまうのが拓海。
つまり、センスとは、「考えればわかることを考えなくてもできてしまう勘の良さ」だととらえると、峠や野球だけでなく、料理や音楽など、他のことにも当てはまる。たとえば料理だと、どうすればより美味しくなるのか教えられなくてもわかるとか、準備・片付けのしやすさはどうなのかということが言われなくてもわかるとか。
才能だけでもいまひとつ抜きん出られない。逆にセンスだけあってもイマイチ。
才能とセンスがあってこそ、何事も一流になれるんだな~。とりあえず才能は努力で埋められる。あとはセンスを磨けばいいんだな、と思った次第。
しかし、センスというものは後天的に身につくものなんだろうか? 一流になるには努力と才能だけではダメなのか? センスが無かったらそれまでなのだろうか? 疑問はまた深まる…。才能とセンス、ともすれば同列に扱われがちだけど、違いについての理解を深めるきっかけになった学生君たちありがとう。
ちなみに、箱根のシンジの「ドライバーの力量に応じたオーラが見える=車に羽が生えて見える」「楽しそうに走ってるように見える」というのは才能の方かな。長年助手席に座ってただけで助手席目線で運転ができるようになったというのはセンスだろう。
勝つためにひとつ足りない要素としては、「経験値」だね。何かをなしえるには、経験値って重要なんですよね。
(つづく)
関連記事
-
-
HDリマスターでFinal Stageまで完全走破!
4月から“5ヶ月にわたって”、ANIMAXでスタートらしいです。(結構長いんだね …
-
-
それぞれの主人公
4th Stageでは、バトル時の主な視点が拓海ではなく、主としてその対戦相手側 …
-
-
京一の「走り屋としての心構えセミナー」開催・その2
京一の「走り屋としての心構えセミナー」開催・その1のつづき。 そのバトル直前に拓 …
-
-
群馬エリア制覇!?
ハチロクエンジンブローの後、京一は涼介に向かって「俺の目的は、高橋涼介、お前を倒 …
-
-
頭文字D Fourth Stage Vol.9その2
ここんとこ忙しくて、またすっかり間が空いてしまった。 Vol.9も、発売されてか …
-
-
名前の呼び方の謎・さらにつづき
昨日に引き続き、名前の呼び方について。 「名前の呼び方の謎」で、みんなファースト …
-
-
プロジェクトD 遠征スケジュール
今回のヤンマガで、次は神奈川だ、って言ってたのにちょっと驚いた。 この流れでいく …
-
-
「なつきはね~」
これまで何度となく、「いい歳して自分のことを名前で呼ぶ女なんてありえねぇ!」と言 …
-
-
頭文字D@最近のヤンマガ数話
バトルはしばらく中断して、拓海のプライベートの話に。 早朝から出発して神奈川の海 …
-
-
セブンスターリーフとトオル
セブンスターリーフには、レッドサンズにおけるケンタみたいなやつがいる。(順一って …
Comment
拓海がパンダトレノを文太に返して
赤いトレノにのれば、あきなのハチロクの名に恥じないものになりますね
赤いトレノです
拓海に似合います
パンダは文太のクルマですから
https://imgur.com/a/hrL6jK2
M2はもしもの同類がいなかったときの拓海のクルマ
https://imgur.com/a/6nWtnrX